ブログの副題にもしている、”独立”という言葉。美容師やプログラマーといった専門職の方が使うならわかるけれど、教師は独立なんて出来るのか?
教師という働き方って、あまり柔軟性がないなあ・・・
他の仕事でもたくさんインプットして、生徒や学校に還元したいなあ・・・
そのように考える先生も、たくさんいることでしょう。私も同じような考えです。
先生という仕事は大好きだけど、副業も世間的に認められてきた今日、先生の働き方や在り方も、もう少し変わっていいのではないか。そして、この先変わっていくのではないか。
そういう思いのもと、私の思う、教師の”独立”について、ここでは語っていきたいと思います。
教師の”独立”とは
ずばり、「1つ仕事が無くなっても、他に生活の支えがある状態」だと、私は定義しています。
これを実践するには、私立など、副業可能な学校であることが必須となってきます。
もしくは、非常勤講師として働くこと。
私個人は常勤講師→専任として、私立の学校で働いてきましたが、正直、非常勤講師に憧れる気持ちはずっとありました。もちろん、デメリットもいろいろあるのは承知のうえですが。
話を戻します。先ほど、「副業」という言葉を使いましたが、
これは、メインとなる仕事があり、そのサブとして別の仕事を行うという状態です。
やろうとしたことはあるけど、部活動が忙しかったり、クラスが荒れていたり、
生活指導が忙しくて、なかなかサブ(=副業)の方にかける時間や労力がないよ・・・!
正直、それが教師の現実だと思います。
私が目指したいのはそれではなく、同じフクギョウでも、『複業』の方です。
「複」業?
あんまり聞いたことないなあ・・・
違いをまとめるとこのような感じです。
・副業=メインとなる仕事(教師)があり、サブとして別の仕事を行うという状態。
メインがハードだと、いつの間にかサブの方は実現不可能になったり、
挫折しやすい。
メインの収入が無くなると、サブだけでは生活するのがしんどい。
ただ、普段の優先順位をつけやすい、というメリットはある。
・複業=時間や労力のかけ方を、自分である程度コントロール出来る状態。
どれか1つ仕事が無くなっても、他の仕事で生きていける。
全然異なる職種でも可だし、関連する仕事も可。
ただし、競合職種の掛け持ちは倫理的に不可。
複業を意識するようになったきっかけ
私が複業を意識するようになったのは、カナダで生活していた時です。
カナダには日本のように、正社員・非正規という概念がありません。
その代わりにあるのは、フルタイム・パートタイムという概念です。
そう言うと、パートタイムは主婦の仕事、というイメージがまだまだ日本にはあるでしょう。
しかしそうではなく、移民の多いカナダでは、パートタイムを掛け持ちしている大人(男女とも)がたくさんいたのです。
一緒に働いていた、あるシェフ<移民の40代の男性・家族と同居>の場合
レストランの混む金土日はシェフとして働き、
月は休日、
火はパソコン関連のショップで働き、
水木はシステムエンジニアとして勤務。
全然ジャンルの違う仕事をしているんだなぁ
彼は、母国ではフルタイムのシステムエンジニアとして働いていたそうですが、
「ずーっとパソコンと向き合っていると、頭がおかしくなりそうだった。今のバランスがちょうどいい。」と言っていました。
でもそれを日本で、先生が実現するのは不可能じゃない?
私もそう思っていました。
しかし、日本で再就職したときに、見事に体現している人に出逢ったのです。
以前同じ学校で働いていた、ある体育非常勤講師<40代男性・家族と同居>の場合
細かな時間配分は分かりませんが、
・体育の非常勤講師
・サッカー部の主顧問(全国レベル)
・一般の社会人クラブチームのサブ
・サッカー指導についての著書を執筆・販売
というように、複業を見事に達成していたのです。
長年勤務されていて、実績も出しており、校内では信頼を置かれる存在でした。
サッカー指導という確固たるスキルを持っていて、それが周りから認められるからこそ出来ることではあります。彼の場合は、いろんなことに手を出しているようで、それぞれがきっと、相互の仕事にもいい影響を及ぼしているのが推察できます。その先生は、いつもイキイキされていて、働き方に憧れました。
スラッシュワーカーとして生きる
“複業”をしている人のことを、「スラッシュワーカー」といいます。
名刺の職業の欄に、1つだけでなく、例えば、
『体育教師/〇〇高校サッカー部 顧問/プロサッカーチーム△△ 副代表』などのように、
スラッシュ(/)で複数の職業が並ぶことから、来ています。
リスクを負いたくない人や、本業に何の不満もない人、マルチタスクが苦手な人・・・
このような人は、あえてスラッシュワーカーの道を選ぶことに何のメリットがあるのかと思うでしょう。
私も、スラッシュワーカーがベストな働き方だというつもりはありません。デメリットも当然あります。確定申告は煩わしいし、手順よく進めなければ、単に自ら収入を減らしてしまう可能性だってあるし、情熱やスキルはある程度必要になってきますし。
今後の選択肢の1つとして捉えて欲しい、ということです。
日本には独自の固定概念が多いです。それも今後きっと変わっていく。
それなら、既存の常識に捕らわれて苦しむ必要もないのかも?ということです。
英語教師がスラッシュワーカーとして出来ることは?
英語教師の場合は、スラッシュワーカーとしてどういう可能性があるの?
上記で、体育の先生の例を挙げました。
体育の先生はスキルが実績として外から分かりやすく、スラッシュワーカーとして活躍できそうなイメージが湧いたのではないでしょうか。
しかし、ここは英語教師のためのブログです。
私も現状、確固たる答えを提示できるわけではありません。
が、今までに出逢った英語教師の例や、私が得た情報、そして私がこれから目指す姿を、
以下にまとめますので、少しでも参考になればと思います。
① 中高で英語の非常勤講師
② 大学の非常勤講師
③ 海外の学校機関で働く
④ 英語教師の留学・就職についての書籍出版
⑤ 教育系のイベントでの講義
⑥ 海外で日本語教師として働く
⑦ 一般企業で英語指導
⑧ 一般企業で働く外国人に日本語指導
⑨ 塾で働く
⑩ 塾の模試採点の仕事をする
⑪ 教科書や参考書の執筆
うわぁ・・・①以外どれも自分には無理な気がしてきた・・・
こう並べるとそのように感じますよね。私も今書いていて、少しそんな気になりました。笑
しかし、スラッシュワーカーの人も、複数の仕事を一気に始めたわけではなくて、
1つずつ試していって、結果的に複数になっているはずなのです。
ある程度のリスクは背負う必要があるかもしれません。
私も、専任の仕事を辞めます。捉え様によってはリスクかもしれません。
でも、夏からアメリカの大学で日本語を教えながら、教育について授業を取る。
むしろ今は楽しみでなりません。決して平坦な道ではないでしょう。それでもです。
まずはそれをやってみて、その先に、上記のような道が広がっているかもしれません。
広げたいと思っていますし、まだ知らない無数の道が他にもあるような気がして、
わくわくします。
皆さんも、教師としての多様な生き方を一緒に模索してみませんか?
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